シャララジマ「私は時代の比喩になりたい」~境界線のない世界の美しさをその存在でもって示す~

シャララジマ「私は時代の比喩になりたい」~境界線のない世界の美しさをその存在でもって示す~

こんにちは。
0=∞=1で5人組づくりを実践しているコミズヨシミです。
ご訪問ありがとうございます。

シャララジマ「私は時代の比喩になりたい」

印象的な記事を読みました。

私が「美しい」と思われる時代は来るのか?“褐色肌、金髪、青い眼”のモデルが問う

この記事を読んでみて私がとらえたことは、
境界線のない世界の美しさをその存在でもって示そうとする意志と実践でした。

人種も美醜も全ての境界線を越えたボーダレスな世界。
シャララジマさんは、これからの時代の美しさはそこにこそあることを直観的につかんでいる気がします。
思惟によって境界線のない世界を追求しながら、その世界の必要性を自らの存在でもって訴えかける。
さらに、境界線だらけの世の中がどこまで境界線のない世界の美しさにシフトしているのかを自らの存在でもって測っている。
そんな思索家でありパイオニアの実践を観たようでした。

「美しさ」に対する勝手な決めつけ

この文章が人の胸を打つ理由の一つに、本人の原体験があると思います。
彼女の存在そのものが、インドでは「美しい」と言われるものではなかったということ。

「肌の色がもう少し白ければきれいだったのに」

何度も言われる言葉。
肌の色ひとつで美醜を決めつけられ、存在価値まで決まってしまうのは一体何なのでしょうか。
白人優越主義による欧米の植民地支配を、他のアジアのようには受けなかった日本では、「白い=美しい」という価値基準は多少あったとしても、世界の感覚とは違うでしょうから、シャララジマさんの心情はつかみきれないところがあるかもしれません。
けれど、大なり小なり社会の勝手な価値基準で自分の存在価値を決めつけられる理不尽さは、ほとんどの人間が感じるところだと思います。
自らの尊厳を傷つけられた心の叫びを、シャララジマさんが代表してくれているようです。

彼女は、「白い=美しい」という方程式を追求してインドの歴史をさかのぼると古代にまでたどり着いたそうです。
自分が「美しい」と言われる時代をつくるということは、何百年、何千年という歴史と向き合うことでした。

自らの存在を持って世界の変化を測る

人類歴史と向き合うという普通なら諦めそうなところを、堂々と対峙するシャララジマさんのメッセージには深みがありますね。
そして時代は彼女を応援する方向に向かっていると思います。

私がベースとしているこの人種の話は、差別されたことを訴える話ではない。人類は次の段階の議論に行くべきで、私のような立場の人と先住民の融合のためで、共生するための話だ。私たちは次の人種ピラミッドのトップの席を奪い合ってる場合ではない。その人種のピラミッド自体をどうすれば崩すことができるかを考えなくてはならない。

ピラミッド型の構造の中で、上を目指して競争する生き方にはもう疲れたよと。
そんな声が至るところから上がっていると思いませんか?
映画「ジョーカー」なんかはその代表的な作品だと思います。

とはいえ、ピラミッド型でない世界、境界線のない世界を求める動きや変化というのはとても捉えづらいものです。
私たちは目に見えるものを基準に生きることにあまりにも浸かりすぎてしまって、目に見えない心の動きや時流を測る感覚が鈍くなっていますし、測る共通の基準もありません。

だから彼女は自らの存在でもって世界の変化を測っています。

「自分の人生」を使ったインスタレーションを試みている。私のこれからの露出度や受け入れられ方によって、この時代の位置を測れることができる――そんなバロメーターのような存在になりたい。

私たちは何のために生まれたのか?
何を成しえるために存在しているのか?
この問いは人間ならば根源的に持つ欲望です。
そして彼女は、自らの存在をこう規定しています。

統一性を求めすぎている世の中で、私たちには戦う以外にも方法があるということを、このコンセプトを通じた活動で伝え、変化を象徴する存在になりたい。

私は時代の比喩であり、事実として存在している

そんな彼女の生き様を私はカッコいいと思います。

日本の可能性

そんなシャララジマさんに影響を与えたのが日本です。
東京に長く住んだ彼女は、日本の文化的豊かさに感銘を受けました。

私たち日本人が当たり前にしていることが世界にとって価値あるものであることはよく言われますが、改めてここでも話題に取り上げられると嬉しいものです。

人種、男女などあらゆる境界線を越えた世界の美しさ、
個々誰もが美しく認識される世界、
それは和の心、わびさびの感覚をもつ日本からしか始められないと私は確信しています。
そして、人類が700万年間一度も使ったことがない「女性性」が開花する世界でもあります。

77億人が感動する美しい世界を、皆さんと共に始められたら嬉しいです。

~心が脳に勝利する時代を令和日本から切り拓く~